生物多様性条約(CBD)事務局は、合成生物学の是非を問う国際的議論に資するため、その技術が生物多様性にもたらす好悪両影響に関する技術的情報と、その影響を評価するための現行のリスク評価と規制の妥当性をまとめた報告書を公表した。「合成生物学」の定義は未確定だが、遺伝物質の新規合成と、工学的手法に基づいた構成要素、生物及び産物の作成を含むとされる。現在ないし近い将来の合成生物学の商業利用の多くは、燃料、医薬品、化学物質、香料などを合成する微生物の創出を目的としており、報告書は、合成生物学の応用が生物多様性の保護と持続可能な利用に利益をもたらし得るとしている。他方、合成生物学の産物を環境中へ放出する場合、合成された遺伝情報が他の生物や環境に予見不可能な影響を及ぼすなど、閉鎖空間での利用とは異なる問題を引き起こしやすいことも指摘する。さらに、こうした潜在的悪影響に対処するCBDやカルタヘナ議定書などの国際協定を検討し、既存の枠組みは現状の利用には対応できるが、合成生物学の発達につれて見直しが必要になるだろうとしている。
情報源 | 生物多様性条約(CBD) プレスリリース(PDF) |
---|---|
国・地域 | 国際機関 |
機関 | 生物多様性条約(CBD) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 生物多様性 | 微生物 | 持続可能 | 規制 | 生物多様性条約 | CBD | リスク評価 | 遺伝 | 合成生物学 |
関連ニュース |
|