国連環境計画(UNEP)は、生分解性プラスチックについて、海を漂うプラスチックごみの減量や海の環境への悪影響低減の効果は小さいとする報告書を公表した。報告書によると、プラスチックの生分解には工業的な堆肥化装置や長時間の50℃以上保温などの条件が必要で、海の環境では達成されにくいという。分解を促す酸化促進剤を添加した酸化型生分解性プラスチックも同様で、海洋環境中では分解に最大5年かかる。また、「生分解性」の表示があるとポイ捨てされやすいという指摘もある。推計では、世界で毎年2億8000万トンのプラスチックが製造され、2000万トンが各地の海に流入する。特に、これが砕かれてマイクロプラスチック(直径5mm以下のプラスチック微粒子)になると、海洋生物による誤摂取、病原体や有害な藻類等の運搬のおそれがあるなど、プラスチックは海洋生態系に対し、毎年数十億ドル分の環境被害をもたらしているという。報告書は、海と生態系への影響を減らすための簡単な解決策はなく、プラスチックの製造から廃棄までを責任を持って管理する必要があるとしている。
情報源 | 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 地球環境 ごみ・リサイクル 環境総合 |
キーワード | 国連環境計画 | UNEP | 廃棄物 | 海洋汚染 | 環境影響 | 海洋生態系 | 生分解性プラスチック | マイクロプラスチック |
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