欧州環境庁(EEA)は、自動車排ガス発生の仕組みやその試験方法、試験値と実地走行時排出量の差が生じる理由など、複雑な情報と排出削減技術を専門知識がなくてもわかるように説明した報告書を公表した。道路輸送部門は欧州の温室効果ガス排出の約5分の1を占め、窒素酸化物(NOx)など大気汚染の大きな要因でもある。2015年に自動車メーカーの排ガス規制不正事件が発覚したため、自動車排ガスの計測が問題になっている。報告書によると、実地走行ではNOxの排出量は試験値の7倍以上、CO2は40%も増加する場合もあるという。その理由として報告書は、試験室で行われる現行の法定試験方法が実際の走行状況と大きく異なること、試験に際し車両重量やタイヤ等の整備方法などメーカーが自由に設定できる部分が多いこと、試験の要素に運転の仕方や環境条件などによって変動する部分があることを挙げている。EUでは、将来に向けて試験値と実地走行の差を縮めるために、試験方法を実地走行に近いものへ変更し、NOx排出量を実地走行しながら計測する方式を導入することを計画している。
情報源 | 欧州環境庁(EEA) プレスリリース |
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国・地域 | EU |
機関 | 欧州環境庁(EEA) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | NOx | 自動車排ガス | 欧州環境庁 | EEA | 排出削減 | 排出量 | 計測 | 試験方法 |
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