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 土壌に堆積した炭(煤)は最終的に海洋へと移動、国際研究チームが報告

発表日:2013.04.18


  フロリダ国際大学等の国際研究チームは、土壌に堆積した炭(煤)は長期間とどまらず、湿地や河川に運ばれ、最終的には海洋に達するとの論文をサイエンス誌に発表した。これまで、森林火災や化石燃料の燃焼により生成される炭は溶解せず土壌中に蓄積すると考えられていた。しかし、アメリカ国立科学財団の長期生態学研究(LTER)区域の一つ、フロリダ州エバーグレーズの湿地で、研究者らが溶存有機炭素を分析したところ、その約20%が炭であることが判明。他のLTER区域や世界各地でも研究を進めるとともに、海洋学的観点から炭の移動経路を追跡した結果、土壌中の炭は世界の水域に移動するとの結論に至った。溶解した炭が海洋に運ばれる量は、毎年世界で火災(燃焼)により発生する炭の総量と連動しているという。研究チームは、今回の研究結果は、世界の炭素循環および気候変動の理解向上に寄与するものであり、今後、バイオ炭による土壌への炭素隔離など、気候変動緩和策の研究にも役立つとしている。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 環境総合
キーワード 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海洋 | 河川 | 土壌 | 湿地 | 炭素循環 | バイオ炭 | 炭
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