アメリカ西部山岳地帯で研究を行った科学者らは、毎春の雪解けの時期が早まり、そのペースも鈍化することで森林のCO2吸収能力が低下し、河川流量が減少する可能性があることを報告した。樹木の炭素吸収量は冬季に減少し、雪解けで水の豊富な春季に増大する。ロッキー山脈で15年間の雪解けと大気中CO2のデータを研究したチームによると、温暖化で雪解けが早まると春季の炭素吸収能力が低下し、今世紀半ばまでにこの時期の森林の炭素吸収機能が45%低下するおそれがあるという。また、気候変動で気温が上昇すると、雪解けの早期化とペース鈍化がおきやすい。アメリカ西部各地で雪解けが早まった場合の影響を独自のモデルを使って分析した研究では、斜面土壌中への水の浸透の減少と蒸発量増加で、全体として河川流量が減少することがわかったという。河川流量が減少すると、農業、公共水道、レクリエーションへの影響が懸念される。アメリカ西部では6000万人が水供給を山岳部の雪解け水に頼っていることから、研究者らは、科学者も土地や水の管理者も、山岳地帯の気候変動に関する考え方を変える必要があるとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 環境総合 |
キーワード | 森林 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | CO2吸収量 | 山岳地帯 | 河川流量 | 炭素吸収 | 雪解け |
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