中国北西部陝西省の秦嶺山脈で、絶滅危惧種ジャイアントパンダの主食「竹」が気候変動により激減する恐れがあると、アメリカと中国の共同研究チームが発表した。パンダ生息域の北限、秦嶺山脈には約275頭のパンダが生息し、中国の野生個体数の約17%を占める。このパンダは、長年にわたる山脈周辺の人間集落の拡大により生息域が孤立し、他地域のパンダとは遺伝子学的に異なる。また主食の竹は、30~35年に1度しか開花・生殖しないため、気候変動への適応力が弱く、これを主食とするのはリスクが高いという。研究チームでは、山脈の主要3種の竹に及ぼす気候変動の影響について、竹の生育地、気候予測、過去の降水量や気温等の各種データをもとに予測モデルを作成。その結果、最も楽観的なシナリオでも今世紀末までに竹の激減によってパンダが実質的に生息できなくなることが判明したという。このため、今後十分な食料の確保が期待できる地域の保全、及びパンダを竹の激減から救うための事前対策の準備が早急に必要だと指摘している。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | 中国 |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 |
キーワード | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 中国 | 絶滅危惧種 | 予測 | 生息域 | ジャイアントパンダ | 竹 | 秦嶺山脈 |
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