アメリカ国立科学財団(NSF)は、将来の気象変化の程度やその変化が様々な生態系に及ぼす影響などを気候および生態系データを用いて解明するデータ駆動アプローチによる研究を進めている。気候変動の全体的傾向とリスクはよく知られているが、気候変動が及ぼす社会的および環境的影響については未だ確実なことはわかっていない。この不確実性のため、食料安全保障、水資源、生物多様性、その他の社会経済的な問いが未解決のままとなっている。そこで、NSFは2010年にミネソタ大学が主導する研究チームに「コンピュータにおける探検」助成金として1000万ドルを提供。大気、海洋、陸上プロセスに関する、衛星観測、地上観測、気候モデルシミュレーション、観察記録など、あらゆるデータ源を利用するデータ駆動アプローチで、気候変動科学における主要課題に取り組んできたという。既に、極端な降雨現象のパターン、表流水の動態モニタリング、沿岸湧昇の変化予測などの領域で研究成果を発表しており、予測精度の向上と気候の変化の特定を進めている。