約1万4000年以上前の急激な気候変動の際に、モンスーンのパターンが変わり、植生の生育状況が変化したとする研究成果が2009年6月12日付の「サイエンス」誌に発表された。この研究は、アメリカ・ネバダ州の砂漠研究所やスクリップス海洋学研究所等の共同研究によるもの。南極やグリーンランドから採取した氷床コアに含まれる空気の酸素同位体を計測し、世界の植生の生育状況を分析したところ、約1万4700年前を境に、植生の生育状況が悪い状態から良い状態に変化したことが判明。この結果を、洞窟の石筍調査で中国の降水量を判定した過去のデータと比較したところ、植生の生育が悪かった約1万4700年前までは、モンスーンが熱帯海域で雨を降らせ、中国などの北半球は降水量が減少した時期(乾燥期)に当たること、さらに、その後数十年の間に突然モンスーンが北方に移動したことが分かった。過去の例から将来が予測できるとは限らないが、気候変動とモンスーンのこうした関係は、気候変動が21世紀にもたらす悪い兆候を示すおそれがあるという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | モンスーン | 降水量 | 農業生産 | 氷床コア | 酸素同位体 |
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