国連環境計画(UNEP)と国際自然保護連合(IUCN)は、世界の保護区の現状を調査し、特に海洋保護区の拡大で進展は見られるが、生物多様性に富む重要地域が十分に保護されておらず、保護区の効果は限定的だと報告した。現在、20万2467の保護区があり、総面積は南極を除く地球上の陸地の14.7%に相当し、愛知目標の下で設定された2020年までの目標値17%まであと一息となっている。海洋保護区は2006年の400万km2超から現在では地球上の海洋の4%に相当する1700万km2近くに拡大している。しかし、生物多様性に富む重要地域で完全に保護区に含まれているのは20%に満たないという。また、保護区の管理を評価する約束を果たしている国は20%に満たず、既存の保全措置の質と効果には疑問が残る。UNEPなどは、保護区は持続可能な開発に必須であるとし、持続可能な漁業管理、侵略的外来種の制御、気候変動対策、生物多様性を脅かす有害な誘因(助成金など)の削減のため、保護区への投資が必要だとしている。