企業や都市に環境関連情報の測定・開示等を促す国際的非営利団体である「CDP」は、ダボス世界経済フォーラムの年次総会開催を前に、発電部門がパリ協定の目標を達成するために必要な炭素価格の設定を目指す、世界初の産業主導のイニシアティブが発足したと報告した。産業界の専門家らが今後2年間にわたり、2020年、2025年、2030年までの発電を脱炭素化するために必要な現実的な「投資適格炭素価格帯」の予測を行う。2017年中には対象を発電以外にも拡大するとしている。パリ協定の目標どおり世界の気温上昇を2℃未満に抑えるには、発電部門の温室効果ガス排出量を2020年までに減少に転じさせ、2050年までにゼロにしなければならないが、現在の炭素価格は必要なクリーンエネルギーへの投資を促すには低すぎるとされる。気候変動は企業業績に明白な影響を及ぼすことから、最近は金融業界も目標達成に関心を深めている。イニシアティブは、2年ごとに適正な炭素価格帯の決定作業を行い、第1回は2017年春に発表を予定している。