アメリカの科学者らは、2015~2016年のエルニーニョがアメリカの太平洋沿岸を通常より76%多く浸食したと報告した。冬季に海岸から砂が失われるのは通常の季節的プロセスだが、エルニーニョ現象によって波のエネルギーが強まり、浸食はより深刻化し得る。研究チームは太平洋沿岸1200マイル以上におよぶ29か所の海岸で季節変動を評価し、空中LIDAR(光検出と測距)、GPS地形測量、砂量の直接的測定を使用して三次元の地表マップや海岸間の詳細データを作成、1997~2016年の各海岸の波および水位データと統合した。2015~2016年にかけた冬季の沿岸浸食はカリフォルニア州の大部分の海岸で観測史上最大級だったという。特に南カリフォルニアでは平年より降雨量が少なかったため、沿岸河川から海岸への砂の供給量が少なく、海岸の回復が遅れたという。今後深刻なエルニーニョ現象がより一般化すれば、海面上昇に関わらずカリフォルニア沿岸の沿岸災害に対する脆弱性がますます高まると考えられている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | アメリカ国立科学財団 | NSF | 沿岸 | エルニーニョ現象 | 観測 | カリフォルニア州 | 浸食 |
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