アメリカは、ポルトガル領のアゾレス諸島グラシオザ島におけるポータブル気候観測設備の設置に関し、ポルトガルとの合意文書に署名した。この観測設備は、アメリカエネルギー省(DOE)の大気放射計測気候研究施設の一つ。2009年5月から20ヶ月間、同島周辺の海洋で雲やエアロゾル特性を計測し、低層雲の微細な変化の解明、気候モデルの試験・開発を目指す。沿岸の低層・境界層雲は地球の気候システムに大きく関わっているが、コンピュータシミュレーションでは毎回異なる反応が示されてしまう。そのため、正確な気候予測のためには、こうした雲のライフサイクルを左右する動的要素を解明する必要がある。そこで、大気が比較的きれいなグラシオザ島に観測設備を設置して観測データを収集し、コンピュータモデルによる将来の気候のシミュレーションの改善を目指す。この合意より、DOEとアゾレス大学との間の科学協力も正式に承認された。雲の垂直構造や亜熱帯の海域における低層雲の降水特性が解明されれば、国際的な気候研究に大きな貢献となると期待されている。
情報源 | アメリカエネルギー省(DOE) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカエネルギー省(DOE) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 気候変動 | アメリカエネルギー省 | DOE | シミュレーション | ポルトガル | 大気観測 | 雲 | 気候モデル | 予測 |
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