スウェーデンエネルギー庁は、CO2を排出しない鉄鋼業を実現するための研究プロジェクトに対し、新たに5400万スウェーデンクローナ(SEK、約6億8000万円)を投資することを決議した。4年間のプロジェクト総予算は9900万SEK(約12億5000万円)。プロジェクトを実施する同国の鉄鋼大手SSAB、鉱石会社LKABおよび電力大手バッテンファルが残りの費用を負担するほか、2017年春には合弁会社を設立する。化石燃料を使用しないペレット製造や水素を用いた直接還元製鉄、アーク炉における海綿鉄の利用を検討するという。同庁はこれまでにも、3社による実行可能性調査に770万SEK(約9700万円)を拠出していた。同3社が、CO2の代わりに水が排出される製鉄技術の確立を目指したプロジェクトを開始したのは2016年春のことである。計画によれば、1)予備的な実行可能性調査(~2017年末)、2)パイロットプラント研究・試験(~2024年)、3)実証プラント試験(~2035年)、の3段階で実施される。今回、追加投資が決定されたことで、今後は大学を含め、研究機関による同様のプロジェクトが多数行われる可能性がある。