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 イギリス自然環境研究会議、温暖化を1.5℃に抑える道筋と影響に関する研究成果を報告

発表日:2018.10.15


  イギリス自然環境研究会議(NERC)は、世界の気温上昇を1.5℃以下に抑えるための道筋と影響に関する研究成果を報告した。緩和対策がとられずこのまま排出量が累積すると、17年後には温暖化を1.5℃に抑えるために必要な排出限度量を超過し、海面は今世紀中に1m、2300年までに4m上昇する。気温上昇が1.5℃又は2℃以下であれば、それぞれ今世紀中に46cm、54cmである。2℃上昇の場合に比べ、1.5℃の上昇では、動植物の被るリスクは半減し、特に昆虫の被るリスクは3分の2低下する。永久凍土の融解過程や湿地からのメタン排出の増加を考慮に入れると、残された排出限度量は、1.5℃上昇シナリオでは排出量3年分に当たる約12%減少し、2℃上昇シナリオでは4.4年分、8.5%減少してしまう。研究は海洋のCO2吸収の適正評価、メタン排出削減の重要性、CO2回収・貯留にはバイオエネルギー作物に比べ植林が有効なこと等従来の研究に新たな知見を加えた。残された時間は少なく対策が急務とされている。研究成果は、2018年10月8日発表のIPCCの1.5℃特別報告書に反映された。

情報源 イギリス自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス自然環境研究会議(NERC)
分野 地球環境
キーワード CO2 | IPCC | イギリス自然環境研究会議 | 温暖化 | 気温上昇 | 1.5℃ | メタン排出 | 排出限度量 | メタン排出削減 | バイオエネルギー作物
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