気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2019年5月8~12日に京都で開催した第49回総会において、温室効果ガス(GHG)インベントリに関する方法論報告書「2006年IPCC国別温室効果ガスインベントリガイドラインの2019年改良」の概要章が採択され、報告書本編が受諾されたことを報告した。「2019年改良」は、各国がGHGの排出・吸収量の報告を行う際の算定方法や算定係数などを規定した「2006年IPCCガイドライン」に対し、科学の進展、新しい技術や生産プロセスの出現によって見直しの必要が生じた部分について、最新の科学的知見に基づき、更新や補足、精緻化を行ったものである。これまで含まれていなかった排出・吸収源にも対応するなど、補足的な方法論として「2006年ガイドライン」と併用される。「2019年改良」と「2006年ガイドライン」は共に次の5巻から構成されている。1)一般的ガイダンスと報告、2)エネルギー、3)工業プロセスと製品の使用、4)農業、林業及びその他土地利用、5)廃棄物。