アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、有害藻類ブルーム(HAB)の把握・予測、総合的な対応の改善のため、12件の研究プロジェクトに1020万ドルを助成する。うち約840万ドルは新規の3~5年計画のプロジェクトの初年度に、178万ドルは既に進行中の3年計画のプロジェクトに充てる。対象となったプロジェクトは、ブルームの毒性が強まる条件の特定、水から貝・魚・海洋哺乳類への毒素の移動、毒素のモニタリングと予測の改善などについて研究する。フロリダ州では、2017~2019年に赤潮とも呼ばれる渦鞭毛藻類カレニア・ブレビスの大発生が海洋生物の大量死や人の呼吸器症状などの原因となっており、今回の助成を受けてHABのモニタリング・管理の方法の改善に向けた研究が行われる。このほか各地の新規あるいは継続中のプロジェクトへの助成が行われ、飲料水の汚染・漁場の閉鎖・観光への打撃などHABが環境・人の健康・沿岸経済に与える被害の軽減を目指すという。