アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、世界の海洋は1994~2007年に化石燃料の燃焼等人為起源の炭素を340億トン吸収したと発表した。年当たりの吸収量は26億トンで、これは産業革命(1800年)以降1994年までの4倍である。吸収量は増加を続けるが、吸収量の排出量全体に占める割合は31%で、2004年の初調査の結果から大きく変化していない。温暖化軽減に海洋の炭素吸収が期待されるが、増加傾向からの逸脱が地域的に観察されることから、現在の傾向が続くという保証はない。調査は、NOAAと世界の科学者が50回の航海で海水10万サンプルを回収して実施した。海洋による炭素吸収には、マイナス面もある。溶解する二酸化炭素が増えると海水の酸性化が進み、貝・甲殻類やサンゴの骨格形成を妨げるなど海洋生物の生育や健康に害を及ぼす。甲殻類産業の盛んなアメリカ西海岸では、NOAAの西海岸酸性化観察ネットワークと業界により二酸化炭素濃度上昇の深刻な被害を防止するための早期警戒システムの整備が進められている。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) ニュース・特集記事 報告書概要 |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 地球環境 大気環境 水・土壌環境 |
キーワード | 海洋生物 | 二酸化炭素 | 化石燃料 | 酸性化 | アメリカ海洋大気庁 | 産業革命 | 温暖化 | 炭素 | 甲殻類産業 | 西海岸酸性化観察ネットワーク |
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