アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、ハワイのマウナロア観測所で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は、2021年5月に月平均で419ppmに達し、正確な測定を開始して以来最も高い水準に達したと発表した。太平洋の中央に位置する同観測所は地域の汚染源や植生の影響を受けない空気を採取するのに理想的であるため、CO2の基準サンプリング地点に採用されており、北半球の大気の平均的な状態を示す測定値を得ることができる。マウナロアのデータは、世界中の他のサンプリング地点での測定値とともに、気候学者のための研究データセットであるNOAAの「Global Greenhouse Gas Reference Network」に組み込まれており、政策立案者のためのベンチマークとしても活用される。今回の測定結果は、国際社会が何十年にもわたって気候変動への取り組みを行ってきたにも関わらず、大気中のCO2濃度の年間増加量を減少に向かわせるどころか増加量を減らせなかったことを示している。