世界資源研究所(WRI)は、ブラジルのエスピリトサント州において、健全な流域を維持するための原生林などの自然、すなわちグリーンインフラが伴っていれば、より多くの利益が得られる可能性があるという、調査結果を紹介した。同州では過去10年間、深刻な干ばつに直面してきたが、荒廃した土地では大量の土砂が河川や貯水池に流れ込んでしまい、水処理のための化学製品の使用量が増え、貯水池の水を蓄えるスペースが減少する。河川や貯水池周辺の森林を再生することで土砂の流入を防ぎ、処理場での化学薬品やエネルギーの使用を節約し、貯水池のインフラへの影響を軽減できる。同州の水供給会社であるCesan社は、森林再生のパートナーとなり自然のインフラに投資することで、20年間で2,600万ドルの節約になる。今回の調査では、同州の主要な流域で劣化した森林を再生することにより、同社が従来のインフラだけを設置、使用した場合と比較して、50%以上の経済効果を得られることが明らかとなった。