アメリカ国立科学財団(NSF)は、同財団が資金提供した国際研究チームによる、気候変動とウイルス感染の関連性に関する研究結果を発表した。地球温暖化に伴い、野生動物が生息地を移動せざるを得なくなり、人間が多く住む地域に移動することになる。COVID-19の大流行や、SARS、エボラ出血熱、ジカ熱の拡大は、動物からヒトに感染したウイルスがいかに大規模な影響を及ぼすかを示している。同研究は、ある種が生息地を求めて新しい地域へと移動する際、他の哺乳類と初めて遭遇すると、何千ものウイルスを共有することになると予測した。気候温暖化による動物の移動や相互作用が、種をまたぐウイルスの数を増加させる可能性がある。新型ウイルスの出現において中心的な役割を担っているコウモリは、気温の上昇により大きな影響を受けている。コウモリは空を飛ぶことで長距離を移動することができ、最も多くのウイルスを共有することができる。コウモリの多様性が世界的に顕著な東南アジアで、今後最も大きな影響が予測される。