中国科学院(CAS)東北地理農業生態研究所の研究チームは、従来型および生分解性マイクロプラスチック(MP)の存在により、土壌内の窒素循環をコードする微生物の機能およびゲノム情報が大きく変化することを明らかにした。プラスチックフィルムはMPの最大の供給源の一つであり、プラスティスフィアと呼ばれる、土壌とは異なる微生物ニッチを形成している。しかし、土壌中の従来型および生分解性プラスチックが、微生物の機能的プロファイルを変化させることによって、窒素変換やバイオアベイラビリティにどのような影響を及ぼすかは、まだほとんどわかっていない。同研究チームは、生分解性MPは従来のMPよりも表面が粗く、土壌とプラスティスフィア内の微生物に強い変化を引き起こすことを発見した。同研究結果は、生分解性MPの存在下における土壌の窒素のバイオアベイラビリティの遺伝的メカニズムに関する新たな知見を提供するとともに、持続可能な農業の維持と、MPの危険性の管理に示唆を与えるものである。