サルパと呼ばれる小型の海洋浮遊動物が、考えられていた以上に小さな粒子を捕食できる高効率のろ過機能を持ち、海底への炭素蓄積を通じて、海面や大気中のCO2除去に役立つ可能性があることが、ウッズホール海洋研究所(WHOI)とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究によって明らかになった。サルパは0.5~5インチほどの円筒型をした細身のクラゲのような生物で、体内にある粘膜フィルター網によって食物粒子(主として植物プランクトンなど)を捕らえ、一まとまりの糞塊にして排泄する。この糞塊には炭素が凝縮されており、それが海底に沈むことで海洋上層に蓄積できる炭素量が増え、海洋から大気中に放出されるCO2の量が減少する。これまでサルパのろ過能力では1.5ミクロンよりも小さい粒子は捕えられないと考えられていたが、この研究の結果、それよりも小さいバクテリアやプランクトンなども捕獲・凝縮できる可能性があることが判明した。しかも、サルパの粒子凝縮プロセスは、極小粒子を一気に大きな粒子へと凝縮できるため、炭素凝縮を効率化できると期待されている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | CO2 | 海洋生物 | プランクトン | アメリカ国立科学財団 | NSF | ウッズホール海洋研究所 | 炭素 | サルパ | ろ過 | MIT |
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