アメリカ、ドイツ、ブラジルなどの科学者からなる研究チームは、アマゾン熱帯林上空のエアロゾル粒子を分離し、化学組成を明らかにした。原生状態に近い環境のエアロゾル粒子の分離は、世界で初めてとなる。この研究によると、焼畑などによる大気汚染の影響がない雨期に発生したエアロゾルは、熱帯林から放出される有機物など、ほとんどが森林生態系由来であることがわかった。また、アマゾン熱帯林上の雲粒の数はエアロゾルによって制限され、エアロゾルの量は生態系によって放出される有機物の量に依存するという。エアロゾルの多くは雲粒を形成し、雨となって地上に還ってくる。このサイクルはよく知られているが、課題は、エアロゾルの発生源を量的に正確に把握することにある。アマゾン川流域のように原生状態に近い環境において、エアロゾルと水循環の相互関係を量的に把握し、基準モデルを作ることができれば、今日の気候変動を理解する一歩となる。またブラジルの科学者は、アマゾン地域における持続可能な開発をバックアップするために、植生と大気の相互メカニズムの解明が役立つであろうと期待を語った。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
---|---|
国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 大気汚染 | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 水循環 | エアロゾル | 雲 | 有機物 | アマゾン | 熱帯林 |
関連ニュース |
|