南極半島を繁殖地とするヒゲペンギンの個体数減少は、観光ではなく気候変動による影響が大きいとする論文を、アメリカの科学者らが発表した。これは、南極半島全域のペンギン個体数の変化を1994年から追跡しているプロジェクトチームが、2011年12月に半島沖の観光地デセプション島で実地調査を行い、データを分析した結果である。南極半島では、過去60年間に年間平均気温が3℃上昇、冬季は5℃も上昇している。またデセプション島最大のヒゲペンギンの繁殖地ベイリー岬では、1986-87年から個体数が50%以上減少していることが、今回の調査で判明。高解像度の衛星画像でも、2002-3年と2009-10年の7年間で39%の減少が確認された。減少の原因については、これまで観光による影響と考えられていたが、観光客の訪れない場所を含む全域で同様に減少しており、観光と個体数との直接の関連性は認められないとしている。なお、南極半島のジェンツーペンギンは逆に個体数が増加しており、気候変動の影響は種により異なるという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 |
キーワード | 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 南極 | 観光 | 個体数 | ヒゲペンギン | ジェンツーペンギン |
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