化石燃料の燃焼や化学肥料の使用に伴う窒素降下物の影響が、これまで考えられていたよりも大きいとする調査結果がサイエンス誌に発表された。この調査は、アリゾナ州立大学(ASU)のエルサー氏率いる国際研究チームによるもので、コロラド州やスウェーデン、ノルウェーの高山・亜高山帯の90ヶ所以上の湖の窒素濃度を調査。都市や農地から離れた湖においても窒素濃度が高いことが明らかになった。また、窒素を多く含む大気汚染物質により、湖の生態系に影響が及んでいる可能性が高いという。大気中から窒素が供給されると、水中では窒素の量がリンより相対的に多くなり、植物プランクトンはリン分の摂取量によって成長が制限される。こうした、リン分の少ない植物プランクトンは、動物プランクトンにとって栄養分の少ない餌にしかならないという。エルサー氏は、今回の調査について、窒素が様々な湖にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにできたとした上で、窒素による大気汚染が著しい中国についても、今後、同様の調査を行いたいとしている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | プランクトン | 生態系 | 大気汚染 | アメリカ国立科学財団 | NSF | リン | 窒素 | 窒素降下物 | 湖 | アリゾナ州立大学 |
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