アメリカのコロンビア大学ラモント・ドハティー地球観測研究所は、火山噴火によりアジアモンスーン地域の降雨量は増える、との研究結果を発表した。同研究所では、アジア地域300ヶ所の樹木の年輪から、過去800年間の大噴火54件の影響を推定。その結果、従来は、噴火による火山灰が太陽エネルギーを遮蔽し気温が低下するため、水の蒸発が減り雨量は減ると考えられていたが、今回、これに反する研究結果が出た。調査期間の大噴火で中央アジアの大半は乾燥したが、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーなど東南アジア諸国の降雨量は増加した。これにはさまざまな要因が複雑に関係していると考えられる。エルニーニョが噴火の影響を緩和した可能性もある。しかし、大気の変動と噴火が同時に起こると、その相互作用で影響が増大する可能性もあり、洪水と干ばつがどちらも起こりうる。調査にあたった研究者は、要因間の相互関係の究明にはなお多くの研究が必要としている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 自然環境 大気環境 |
キーワード | アメリカ国立科学財団 | NSF | 火山灰 | アジア | モンスーン | 降水量 | エルニーニョ | 降雨 | 火山噴火 | コロンビア大学 |
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