アメリカ環境保護庁(EPA)は、大気浄化法の重要新規代替物質政策(SNAP)プログラムにより、家庭用冷蔵庫や業務用小型冷蔵庫の冷媒として、プロパン、イソブタン、R441Aの炭化水素類3種を、一定の使用条件下で承認した。炭化水素類はオゾン層破壊物質(ODS)であるCFC12やHCFC22といった冷媒に代わるほか、ODSの代替物質とされるが温室効果が高いHFC類の新たな代替物質としても使われる。温室効果の低い炭化水素類が使えるようになることで、今回の承認は温暖化対策を進める上でも極めて重要であるという。これら新たな冷媒への変更が進むことによって、2020年までに温室効果ガスの排出量約60万トンを削減することができるという。これは、約7万5000世帯の1年間の電力消費に相当する。今回の承認は、GE社など企業からの要望を受けて実現したもので、EPAは「環境を保護しつつ技術革新を推進していくために、企業とどのように協力していくかを示す好例」とし、これにより気候に配慮した冷媒の選択肢が拡大できたとしている。