国連環境計画は、水資源管理において、従来からの農業生産性の視点だけでなく、湿地や森林等のさまざまな生態系サービスを評価する視点を含めるよう促す新たな報告書を発表した。この報告書は、今後の水需要の増大が懸念される中、世界の政策立案者や資源管理者に向けて発表されたもので、ストックホルム環境研究所の研究者が作成した。同報告書では、水が持つさまざまな生態系サービス(栄養塩などの物質循環、地表の冷却効果、生物生息空間の提供など)の視点をバランスよく採り入れることで、農業生産性を持続可能な方法で向上させ、低炭素で資源効率性の高い社会に移行することが可能と指摘。各国の事例を挙げながら、限りある水資源を既存の技術でうまく管理することにより、農業生産による収益と生態系サービスが両立できることを示している。特に、アフリカ、東欧、中央アジア(これらで世界の穀物生産の60%を占める)の天水灌漑農業で有効な手法として、土壌と水の保全、最小耕起、雨水貯留などを提示。天水農業で潜在収量の95%まで生産量を高められれば、現在の水の使用量を維持しつつ、穀物生産を58%増加させることが可能だとしている。
情報源 | 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 自然環境 |
キーワード | 物質循環 | 水資源 | 持続可能 | 穀物 | 生態系サービス | 国連環境計画 | UNEP | 水需要 | 農業生産性 | 天水灌漑農業 |
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