(独)海洋研究開発機構の地球環境観測研究センター気候変動観測研究プログラムは、地球規模での異常気象を引き起こすインド洋ダイポールモード現象(IOD現象)が、すでに始まっている可能性が高いことを、インド洋東部赤道域に設置した係留ブイの観測データにより明らかにした。今夏のIOD現象の発生については、同機構の地球環境フロンティア研究センター気候変動予測研究プログラムが数値モデルで予測しており、今回の観測結果は、数値モデルの予測結果を裏付け、異常気象の予兆を捉えた重要な成果という。IOD現象が3年連続で発生するのは、1950年代の観測開始以来初の極めて希な現象であり、このようなIOD現象に伴う海洋内部での変動をリアルタイムで現場観測により把握できたことは、短期の気候変動についての理解を深め、モデルの精度向上につながる成果であり、今後の気候変動予測研究を大きく前進させることが期待されるという。
