(独)海洋研究開発機構は、地球シミュレータを使った大規模な計算機シミュレーションとバーチャルリアリティ技術を使った先進的可視化によって、地球磁場の新しい生成機構を見出すことに成功した。今回、地球シミュレータの512ノード(4,096個のプロセッサ)を用い、これまでで最も高い解像度を持つ地球ダイナモシミュレーションを行った結果、これまでのシミュレーションでは見られなかった新しい流れ構造と電流構造を発見。すなわち、地球外核中の磁場が、地球の自転軸方向に伸びたカーテンのように薄いシート状の対流構造により生成され、このシート状の流れにより、磁力線がまっすぐに引き伸ばされることで磁場が生成されるとともに、その磁力線の周囲にらせん状の電流が流れることが見出された。今回の発見は、地球磁場の解明に向けた一歩であるとともに、地球科学分野の大規模シミュレーション技術の高度化に寄与するものという。