(株)大林組は、VOC(揮発性有機化合物)に汚染された土壌を浄化する微生物栄養剤を開発した。同社では、今回の製品に先立ち、微生物によるVOC分解が早く、市販の栄養剤に比べて約半額と安価な栄養剤を開発し、すでに多くの工事実績を有している。さらに今回の製品では、ゆっくりと栄養剤が分解されることで長時間浄化効果が持続できるほか、水にすぐに溶解し、溶解液の粘性は水と同等であるため、従来の栄養剤よりも広範囲(面積にして4倍)に浸透可能となった。これにより、工場建屋の外に設置した注入井戸から建屋直下の汚染域に至るまで、広域に栄養剤を到達させて浄化することができ、透水性の悪い地盤にも適応が可能となる。同製品は、市販の栄養剤に比べて安価で、注入井戸の本数などの設備費用の低減が図れることから、浄化費用が約30%削減できる。また、原料は食品や食品添加物で安全性が高く、現場の条件に最適な調合が可能という。