国土交通省(水管理・国土保全局水道事業課)は11月29日、「水道事業者等によるこれまでのPFOS及びPFOA対応事例について」を公表した。この事例集は、水道水に含まれる有機フッ素化合物であるPFOS及びPFOAの対応事例をまとめたものである。PFOS及びPFOAは、令和2年度に水質管理目標設定項目として設定され、合算値で50ng/L以下が暫定目標値とされている。昨年度までに暫定目標値を超過する事例が確認されたため、水道事業者等が取りうる方策を提供するために事例集を作成した。── PFOS及びPFOAは、毒性の評価値が暫定であるため、水道水質基準には含まれていないが、水質管理上留意すべき項目として設定されている。これらの化合物は、体重50kgの人が水を一生涯にわたって毎日2リットル飲用しても健康に悪影響が生じないと考えられる水準を基に設定された。国土交通省は、環境省と共同で全国の水道事業者等を対象に実態調査を実施し、その調査結果も公表している。── 水道事業者等は、PFOS及びPFOAが暫定目標値を超過した場合、取水の停止や減量、代替水源への切り替え、浄水処理の強化などの対応を行っている。具体的な対応事例としては、水質検査の強化、粉末活性炭の投入、住民への周知などが挙げられる。これらの対応により、現在はすべての事例において暫定目標値以下で管理されている。今後、国土交通省は都道府県や水道事業者等を対象とした説明会を開催し、事例集の周知に努めるとともに、技術的支援も行う予定である。