大成建設(株)は、コンクリートにおける産業副産物の使用割合を極限まで高めた「環境配慮コンクリート」を開発し、実施適用したと発表した。一般的なコンクリートでは、CO2排出量の90%近くが製造過程において排出される。そのため、コンクリートの主要材料であるセメントの一部を、CO2排出が少ない産業副産物の高炉スラグやフライアッシュなどと置換した混合セメントを使用することで、CO2排出量を抑制する取り組みがなされている。今回開発したコンクリートは、セメント全てを高炉スラグに置換したもの。高炉スラグを多量に用いると、アブサンデン現象(仕上がり表面が脆くなる現象)が生じ易くなるが、夏季と冬季の施工で実施適用した結果、ひび割れの発生がなく、硬化や強度発現が順調であった。また、コンクリートの材料製造に関わるCO2排出量も、従来と比較して約80%削減できたことを確認したという。同社では今後も、構造物の特徴や材料の供給体制にあわせて環境負荷を低減したコンクリートを積極的に提案していく予定という。