本田技研工業(株)は、セダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)を公開し、2015年度中に日本での発売を目指すと発表した。同社では、水素と空気中の酸素を化学反応させ、発生した電気によりモーターを動かして走るFCVを究極の環境車と位置づけ、1980年代後半から積極的に研究開発を行ってきた。2002年以降は日米でSUVタイプのFCVを導入してきた。今回公開したFCVは、さらなる性能向上とコストダウンを目指したもの。搭載された新開発の燃料電池スタックは、従来型より33%の小型化を図りながら、出力は100kW以上、出力密度は3.1kW/Lと従来比で約60%の向上を実現した。また、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、700km以上の航続距離を実現。水素タンクの再充填は約3分程度という短時間で完了し、現在のガソリン車と同等の使い勝手を可能にする。さらに、外部給電機能を装備しており、「走る電源」として、災害時などにクルマが作る電力をコミュニティに提供することができるという。