海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学は、カルフォルニア大学との共同研究グループが、日本近海の夏の大気圧分布に数十年規模で変化する関係を発見したと発表した。これは、日本を含む東アジアから太平洋域の夏の天候の年々変動を広く特徴づける大気圧分布のパターンである「PJ(太平洋-日本)パターン」について、1897年から2013年までの過去117年間分の気象観測データを復元しPJパターン指標を再定義するとともに、東アジアの夏の気温、東南アジアの雨季の雨量、沖縄や台湾を通過する台風数、日本のコメの収穫量、長江の流量等との相関について長期解析を実施したもの。その結果、PJパターン指標とこれらの気候・農業・水文に関連する値との間には、相関の明瞭な時期と不明瞭な時期とが数十年周期で繰り返し訪れていることが明らかになった。このことは、東アジアの夏の気候変動が数十年の周期で変調していることを示しているという。