国内ニュース


 名古屋大、油分解能力を示す共生微生物製剤を開発

発表日:2015.08.25


  名古屋大学は、驚異的な油分解能力を有する共生微生物製剤を開発し、デモ機を使った実証試験を開始すると発表した。食品工場、油脂工場からの排水には多量の油分が含まれ、標準活性汚泥法、活性汚泥膜分離(MBR)、嫌気消化などの主要な処理施設の機能不全を引き起こすため、油分を除去する前処理が必須である。従来使用されてきた加圧浮上分離装置では、分離された油分汚泥は産業廃棄物として処理しなくてはならず、この汚泥からの悪臭発生なども問題になっている。今回開発した微生物製剤は、油含有量の高い排水の処理に適しており、従来の加圧浮上分離装置の稼働率低下や完全停止も可能である。油そのものを微生物により分解消滅させるため、悪臭の軽減や油分汚泥発生量の大幅削減が見込まれる。油分が除去されるため汚泥の沈降性もよくなり、また、活性汚泥処理槽や沈殿槽との相性もよく、安定な排水処理設備の運転が見込まれる。さらに、初期投資とランニングコストも加圧浮上分離装置と比べて、1/3~1/2近くまで削減できるという。

情報源 名古屋大学 プレスリリース(PDF)
機関 名古屋大学
分野 水・土壌環境
キーワード 汚泥処理 | 微生物 | 工場 | 排水処理 | 名古屋大学 | 油分解
関連ニュース

関連する環境技術