信州大学は、カーボンナノチューブ・ポリアミドのナノ複合膜による高性能、多機能性逆浸透(RO)膜の開発に成功したと発表した。地球レベルでの水資源の枯渇問題に対して海水の淡水化は持続可能性を左右する重要技術である。そのため、現状の透水膜技術、すなわち既存の造水用膜を越える高性能で強靭(ロバスト)性を具備した新しい水分離膜への期待が高まり、国際的に活発な研究開発が進められている。今回、研究グループでは、カーボンナノチューブ(CNT)を解きほぐす独自の手法を、従来の薄膜形成技術と融合することで新しいナノ複合膜形成技術を開発し、CNTとポリアミドの複合で構成された逆浸透膜(RO膜)の開発に成功した。このRO膜は、塩水から塩分を排除する高い脱塩性能を示し、かつ高い透水性を有していた。また、耐汚染性、耐塩素性を兼備し、これまで多数報告されたCNT/ポリアミド複合膜と比較して、卓越したRO膜機能を有している。このRO膜では市販のCNTを用いているため、水の世紀における新たな膜として実用的発展が期待できるという。
情報源 |
信州大学 トピックス
信州大学 報道発表資料(PDF) 科学技術振興機構(JST) 共同発表 |
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機関 | 信州大学 科学技術振興機構(JST) |
分野 |
水・土壌環境 |
キーワード | RO膜 | 逆浸透膜 | 海水淡水化 | カーボンナノチューブ | 持続可能性 | 信州大学 | CNT | ポリアミド |
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