昭和電工(株)は、米国エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社と共同で、環境負荷の極めて小さい半導体向けエッチング用高純度ガスC4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)の生産を開始すると発表した。生産設備は同社川崎事業所に建設され、2009年上半期に完工の予定。C4F6は、半導体に使用するシリコンウエハーを加工する工程において、ウエハー上に形成された薄い酸化膜をエッチングするために使われ、その地球温暖化係数は0.1未満(CO2の場合、係数は1)であり、他のフッ素系エッチングガスと比べて数万から約十万分の一と非常に小さいことから、気候変動に対する影響の抑制に大きく貢献するという。同社は、これまでロシアでC4F6の粗製品を生産・輸入し、川崎事業者で高純度化を行い販売してきたが、今回、同生産設備の稼働により、今後のC4F6に対する需要の拡大に対応し、供給体制の一層の安定化を図るという。