産業技術総合研究所は、森林総合研究所と共同で、イネの遺伝子を使ってポプラの木質を大幅に強化する技術を開発したと発表した。現在、地球温暖化の抑制や化石燃料の代替のため、食糧ではない木質を原料としたバイオエタノールやバイオマテリアルの開発と普及が期待されている。このため、植物の木質生産性の向上は重要な課題の一つであるが、これまで木質生産を増強しようとすると植物の成長に悪影響が生じるといった問題があり、植物の成長を阻害せずに木質生産性を向上させる技術が求められていた。今回開発した技術は、イネの木質生産を制御しているOsSWN1転写因子を、遺伝子組換えによりポプラに導入するもので、ポプラの成長には悪影響を及ぼさずに木質生産性を約4割高め、木材の強度も約6割向上させることができる。将来的には、木質由来のバイオエタノールやバイオプラスチックの高効率生産、高い強度を持った木材の開発、さらに木質由来の次世代燃料・材料の高効率生産がもたらすCO2の排出削減への貢献が期待されるという。同技術開発は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(先端的低炭素化技術開発:ALCA)の研究開発課題の一環として行われた。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
科学技術振興機構(JST) 共同発表 |
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機関 | 産業技術総合研究所 森林総合研究所 科学技術振興機構(JST) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | バイオエタノール | CO2排出量 | 森林総合研究所 | 産業技術総合研究所 | 木質 | イネ | 遺伝子 | バイオプラスチック | ポプラ |
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