海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、近年進行する地球温暖化により北極域における河川の氷の厚さが減少し、結氷時期が遅れ、春の解氷時期が早まる変化を明らかにしたと発表した。北極域の河川は、秋に河川の表面が凍って薄い氷板を形成し(結氷)、冬にはその河川氷が鉛直方向に厚く成長し、春になると融解する季節変化を繰り返す。今回、河川氷の計算を組み込み新たに改良した陸面過程モデルを用いた数値計算により、北極の河川氷の変化を広範囲かつ定量的に評価。その結果、気温上昇に加えて積雪の断熱効果が加わることで北極域の河川氷はさらに薄くなっており、積雪の変化によって河川氷厚の長期的な変化と地域的な違いが生じること、一方で河川氷の「結氷期間」には積雪よりもむしろ気温が主要影響因子となること等、河川氷がそれぞれの影響因子に対して複雑な応答を示すことが明らかとなった。今後、河川氷の解氷時期やそれに伴う洪水の発生地点・時期を準リアルタイムかつ季節的に予報する研究を進め、今回の成果を海氷減少の解明や将来予測へと繋げていくという。
情報源 |
海洋研究開発機構(JAMSTEC) プレスリリース
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機関 | 海洋研究開発機構(JAMSTEC) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 海洋研究開発機構 | 気温 | 北極 | 海氷 | 積雪 | JAMSTEC | 数値モデル | 河川氷 |
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