(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、近年進行する北極の永久凍土の地温変化に対して、積雪の影響が気温の影響より大きいことを明らかにしたと発表した。近年、温暖化の影響により北極陸域の永久凍土の衰退及び地温上昇が急速に進行している。地温上昇率は気温より高く、その要因として積雪の影響が指摘されていたが、その詳細な寄与率は未解明であった。そこで今回、数値モデルを用いて、降雪量と気温に変化を与える実験を行い、地温に対する気温と積雪の影響を広範囲かつ定量的に評価。その結果、永久凍土域(特に東シベリアとアラスカ)では地温に対する積雪による断熱効果の影響が50%以上と気温よりも大きいことが分かった。北極域が地域によって異なる気候的特性を持っていることが示されたことは、まだ明らかにされていない北極域の気候変動の解明に繋がる極めて重要な知見である。今後、温暖化によって凍土域の積雪の変化が予想されているが、気温変化に加えて積雪の影響が加わることにより、その変化率がさらに増幅する可能性も示唆されるという。
情報源 |
(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC) プレスリリース
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機関 | (独)海洋研究開発機構(JAMSTEC) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 気候変動 | 海洋研究開発機構 | 気温 | 北極 | 積雪 | 永久凍土 | JAMSTEC | 地温上昇 |
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