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 九州大、東アジア域の人的活動による窒素化合物の日本周辺海域への影響を解明

発表日:2016.05.31


  九州大学は、(一財)電力中央研究所との研究グループが、東アジア域の人的活動による窒素化合物の日本周辺海域への影響を解明したと発表した。硝酸ガスや硝酸塩などの窒素化合物は、国境を越えて運ばれてくる途中、東シナ海や日本海などの海洋へも沈着するため、海洋生態系にも大きな影響を与えることが危惧されている。今回研究グループでは、大気中の大気汚染物質の動きが詳細にわかる化学輸送モデルを用いて、大気から海洋への窒素化合物沈着量を解析した。その結果、黄海・東シナ海・日本海の合計で、2002-2004年の年間平均の窒素化合物沈着量は733Gg-N/年となった。一方、中国の人的活動によるNOx排出量は5377Gg-N/年で、中国国内(陸上)では2317Gg-N/年の窒素化合物が沈着し、周辺の海域では窒素化合物として全体の27%が沈着している。このことから、中国から流れ出す窒素酸化物(NOx)由来の窒素化合物のほぼ1/2が、中国東岸から日本東岸の全海域にかけて沈着していることがわかったという。

情報源 九州大学 プレスリリース(PDF)
機関 九州大学 (一財)電力中央研究所
分野 健康・化学物質
水・土壌環境
キーワード 窒素酸化物 | NOx | 九州大学 | 電力中央研究所 | 中国 | 窒素化合物 | 越境汚染 | 東アジア | 海域
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