産業技術総合研究所は、筑波大学と共同で、金属有機構造体を電池のセパレーターに用いて、安定な充放電サイクル特性を持つリチウム硫黄電池を開発したと発表した。リチウムイオン電池の正極に硫黄を用いるリチウム硫黄電池は、高い正極容量(理論値では1,675 mAh/g)を示すため、次世代蓄電池として期待されている。しかし、放電反応の中間生成物であるリチウム多硫化物が電解液に溶出するため、充放電サイクルを繰り返すことにより、正極と負極の間での酸化還元反応を引き起こし、リチウム硫黄電池の容量が劣化するといった問題があった。今回、気体分子の吸着や分離に多く使われている「金属有機構造体」をリチウム硫黄電池のセパレーターとして用いたところ、このセパレーターが溶出した多硫化物イオンの負極側への移動を防ぎ、長時間にわたり安定な充放電サイクルが実現した。電流密度1Cでの1,500回のサイクル試験後も900mAh/gという高い充電容量を維持しているという。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
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機関 | 産業技術総合研究所 筑波大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | リチウムイオン電池 | 産業技術総合研究所 | 蓄電池 | 充放電 | セパレーター | 筑波大学 | 金属有機構造体 | リチウム硫黄電池 |
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