三菱レイヨン(株)は、同社のグループ会社である三菱レイヨン・エンジニアリング(株)の排水処理用中空糸膜エレメントが、中国湖北省十堰市の排水処理施設の高度化処理改造設備に採用されたと発表した。今回の改造は、現行排水処理能力16.5万m3/日のうち11万m3/日を高度化処理設備へと改造するもの。省スペース、良好な処理水質、容易な維持管理という特長をもつ膜分離活性汚泥(MBR)法の排水処理施設としては世界最大規模となるという。中国では、北部の深刻な水不足を解消するために、長江の豊富な水を北部へ送水する運河を建設する「南水北調プロジェクト」が行われている。今回の排水処理施設は、同プロジェクトの水源の一つである長江支流の丹江口ダム上流に、2004年に建設されたもの。北部への送水が本格化する中、かねてより懸念されていた長江水源の汚染対策として、同施設を高度化処理設備へと改造することが必要となった。