産業技術総合研究所は、膜分離活性汚泥法(MBR)における水処理膜の性状を解析し、従来モデルとは異なる膜閉塞発生機構を見出した。MBRは、活性汚泥と処理水との分離を膜により行う水処理再生の中核技術であるが、水処理膜上のバイオフィルム(ぬめり、垢などのような微生物の集団が形成する構造体)の状態を解析することが困難であった。今回の研究では、1)共焦点反射顕微鏡法によるバイオフィルムの非破壊可視化、2)解析速度の高いDNA塩基配列解読装置による微生物の同定が行われ、3)廃水の有機物濃度とバイオフィルムを構成する主要な微生物種の関係が解明され、4)水処理膜内外の圧力差が高いときは、バイオフィルム形成菌のみならず、別の菌食性細菌や被食細菌の死細胞膜脂質がフィルムに蓄積することが示唆された。水処理膜を洗浄する場合、低負荷ならば多糖や微生物細胞の除去に有効な分解酵素や次亜塩素、高負荷ならばアルカリ性薬剤や界面活性剤が効果的であるという。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
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機関 | 産業技術総合研究所 |
分野 |
水・土壌環境 |
キーワード | 水処理膜 | 微生物 | 膜分離活性汚泥法 | 産業技術総合研究所 | MBR | 活性汚泥 | バイオフィルム | 閉塞 |
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