環境省、(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所は、将来のブータン王国における温室効果ガス排出量のシミュレーション結果を発表した。ブータン王国は、豊富な森林と再生可能エネルギーである水力発電によって、森林によるCO2吸収量が排出量を上回る「炭素中立」となっている。同国政府は将来にわたって炭素中立であることを目標に掲げているが、近年の経済発展によりエネルギー消費量・CO2排出量の増加が危惧されている。今回、3者では、ブータン王国環境委員会と協力して、同国の将来の社会経済活動の発展による家庭・産業・交通等のエネルギー需要量とCO2排出量を推計するモデルを開発してシミュレーションを行った。その結果、現在の森林吸収量を維持したとしても、省エネルギー対策等がとられない場合には2050年までに排出量が吸収量を上回ることが分かった。今後はシミュレーションを活用して同国の気候変動対策を支援していくという。