国内ニュース


 北海道大、造礁性サンゴ骨格から過去の湧昇流発生時期などを復元

発表日:2017.07.18


  北海道大学は、アラビア海のオマーン湾の「湧昇流(海洋において深層から表層に湧き上がる現象)」の発生時期などを解明した。湧昇流の観測には、海水温・塩分・栄養塩などの環境情報が必要であるが、これらの情報を広範囲かつ連続的に収集することは容易ではない。今回の研究は、樹木の年輪のように古環境の情報を記録している「造礁性サンゴ」に着目したもの。同湾で採取した造礁性サンゴ群体の骨格柱状試料(以下、「試料」)について、過去26年間にわたる炭素安定同位体比、海水温指標及び塩分指標である酸素安定同位体比、Sr/Ca比を解析し、炭素同位体比の変動要因などを検討した。その結果、試料は、湧昇流の発生に伴う深層水の湧き上がりと植物プランクトンの増加を反映しており、炭素同位体比の下がり幅が湧昇流の発生期間と相関関係にあることを解明した。この成果は、サンゴを用いて100年以上前の湧昇流の発生頻度と発生日数を推定できることを示唆しているという。

情報源 北海道大学 プレスリリース(PDF:561KB)
機関 北海道大学
分野 地球環境
自然環境
キーワード 北海道大学 | 海水温 | 観測 | 海洋環境 | サンゴ | 塩分濃度 | 造礁サンゴ | オマーン湾 | 湧昇流
関連ニュース

関連する環境技術