北海道大学、(独)産業技術総合研究所及び国立科学博物館は、約350万年前(鮮新世温暖期)のフィリピン産化石サンゴから、最古のエルニーニョ現象の証拠を発見したと発表した。太平洋赤道域で数年ごとに発生するエルニーニョ現象は、現在の気候システムにおいて重要な役割を果たしている。一方、鮮新世温暖期(約460万年前~約300万年前)は、将来の温暖化した地球環境に最も類似している時代であると言われており、この時代にエルニーニョ現象が存在したかどうかについては、これまで激しい論争が続いていた。今回、北海道大学大学院理学研究院の渡邊 剛講師らは、フィリピンでこの温暖期に相当する地層から極めて保存状態のよい化石サンゴを発見し、その化学組成解析から当時の水温の変動記録を得ることに成功。その結果、この温暖期に現在とほぼ同じ周期でエルニーニョ現象が起こっていたことを明らかにした。この発見は、一連の論争に決着をつけるものであり、将来の温暖化におけるエルニーニョ現象の挙動を予測するための重要な知見となるという。
情報源 |
北海道大学 プレスリリース(PDF)
(独)産業技術総合研究所 プレスリリース |
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機関 | 北海道大学 (独)産業技術総合研究所 国立科学博物館 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | 産業技術総合研究所 | 水温 | 化石 | フィリピン | 北海道大学 | 国立科学博物館 | エルニーニョ現象 | 気候システム | サンゴ |
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