物質・材料研究機構(NIMS)は、常圧での合成に高価な触媒を必要とするアンモニアを、安価な液体ナトリウムに窒素と水素の混合ガスを通すことで合成できることを発見した。アンモニアは、CO2無排出燃料や水素輸送用キャリアとして、将来的な需要の増加が見込まれている。近年、より安価な合成を目指し、常圧での合成法が活発に研究されているが、ルテニウムなどの高価な触媒が必要であり、アンモニア合成に至るまでの過程において様々な化合物に変換する必要があるなどの課題があった。今回研究チームでは、安価なナトリウムを液体にして、窒素と水素の混合ガスを泡状に供給する比較的簡便な方法で、常圧で微量のアンモニアが合成されることを確認した。ナトリウムを500℃以上の高温で液体にして水素との反応を抑えることで窒素が解離され、その窒素が水素と反応し、アンモニアが合成された。今後、アンモニア合成の低コスト化につながる技術として期待されるという。