大成建設(株)は、2015年に同社が発見した1,4-ジオキサン分解菌を用いて、排水中の1,4-ジオキサンを排水基準以下まで安定的に処理するプロセスを構築した。1,4-ジオキサンは、一般的な排水処理法の活性汚泥法や活性炭吸着法では処理が困難なため、これまでは複数の酸化剤を併用する促進酸化法などの化学的処理が行われてきたが、コストがかかり環境への影響が大きいといった課題があった。今回、同社が発見した分解菌は、現在、認知されている分解菌の中では最も分解速度が速く、分解可能な1,4-ジオキサン濃度の範囲が非常に広いという特徴がある。この分解菌を用いた処理プロセスを検討した結果、バッチ式の生物処理プロセスにより、従来技術が抱えるこれらの課題を解決することが可能となった。同社では、性能を検証するため、稼働中の工場排水を用いた長期検証を行っており、実用化の前段となる実証実験を経て、2018年度中を目標に実用化する予定という。